この地方には、養蚕という産業が家計を支えていた時代があります。そうした営みの深部には、そのことを担っていた家人の夢や希望の原質が眠っているはずです。そんなことを考え、今回、風の沢ミュージアム「家シリーズ」の第二弾として、標記の「行動芸術」を創りました。
それぞれの作家、研究者、地元技術者たちが「養蚕」の原型に想いを馳せて、「蚕=羽化」への変化のプロセスを作品化していきます。
「蚕」という生き物が幾重もの変貌を遂げていく様は、私たちの存在の象徴ともいえますが、そのことを担ってきた人々の夢の紡ぎ方でもあると思えます。家で繰り広げられてきた人々の想像力の展開をご鑑賞ください。 総合監修:森 繁哉
行動芸術
それぞれの作家、研究者たちが多様な思考と技術の参加を持って、ひとつの作品の成立を目指していく芸術行為の在り方
日時:2019年4月14日(日)から10月20日(日)まで
場所:風の沢ミュージアム(〒987-2302宮城県栗原市一迫片子沢外の沢11)
主催:風の沢ミュージアム
共催:NPO帰園田居創生機構
後援:栗原市、栗原市教育委員会, 河北新報社
作家 一條 好江
内に秘めた情念の夢を一枚の紙に転化して、私たちを夢幻世界に誘う日本画家
作家 清水 貞志
大地の息吹をそのまま感じさせるような力強い作風で陶芸の新しい世界を築こうとする陶芸家
作家 外丸 治
少年時代に野山で遊んだ不思議に懐かしい体験を木工作品にしてみなさんにお見せする木造形の作家
作家 中野 聡子
柔らかな身体の質感と季節のたおやかさを日本画に織り込んだ作品で将来を嘱望される作家
調書 早川 知子
民俗社会を丹念な調査によってその深層性と固有性を明らかにしていく研究者
監修補助 松村 知紗
今企画展の資料と文献を採録しながら監修補助として関わりつつ、イベントでは歌と踊りを披露する舞台活動家
デザイン 高橋 尚史
紙媒体を格好のデザインによって伝達媒体に仕立てあげていく地域在住の仕事人